蝶(チョウ)図鑑

蝶(チョウ)図鑑
2020年8月29日

公園にいる身近な蝶から絶滅危惧種のチョウまで紹介するWEB図鑑です。見つけたチョウの同定や生態チェックにお使いください。日本のチョウはアゲハチョウ科、シロチョウ科、シジミチョウ科、タテハチョウ科、セセリチョウ科の5グループ。
なお、実際の図鑑なら「増補改訂版-日本のチョウ-フィールドガイド」(以下)をオススメします。日本のすべてのチョウが載っているのにポケットサイズですごい図鑑。違う角度から撮った写真が豊富で判別もしやすいです。

 

 

アゲハチョウ科

チョウの名前 特徴・生息場所・見つけ方

ミヤマカラスアゲハ

ミヤマカラスアゲハ
ミヤマカラスアゲハ

ミヤマカラスアゲハ2
ミヤマカラスアゲハ(翅裏)
分類: /アゲハチョウ科/アゲハチョウ属
見かける頻度: ★★★☆☆
分布: 北海道、本州、九州など
大きさ: 38~75mm

カラスアゲハとよく似ているが、違いを知れば区別は簡単。まるで南米や東南アジアにいるような美しい蝶、碧(へき)と翠(みどり)は光具合で変幻自在。幼虫はカラスザンショウ、ハマセンダン、キハダなど野生種のミカン科植物の葉を食べる。成虫はクサギ類やツツジ類、アザミなどの花の蜜を吸う。

キアゲハ

キアゲハ
キアゲハ
分類: /アゲハチョウ科/アゲハチョウ属
見かける頻度:★★★★☆
分布:北海道〜九州
大きさ:40mm〜60mmほど(前翅長)

都市部から山村、高山まで広く分布し、よく見かけるチョウの代表格。成虫はアザミやツツジの花の蜜を吸う。幼虫はミツバ、パセリ、ニンジンなどセリ科の植物を食べる。

アオスジアゲハ

アオスジアゲハ
アオスジアゲハ
分類: /アゲハチョウ科/アオスジアゲハ属
見かける頻度: ★★★★☆
分布: 本州〜沖縄
大きさ:30〜45mm(前翅長)

明るい翠(みどり)が美しいチョウ。ヒメジオン、レンゲ、アザミなどの花の蜜を吸い、都市部でも公園や道路脇などで見られる。幼虫はクスノキなどを食べる。

シロチョウ科

チョウの名前 特徴・生息場所・
見つけ方

キタキチョウ

キタキチョウ
キタキチョウ
分類: シロチョウ科/モンキチョウ亜科/ヤマキチョウ族/キチョウ属
見かける頻度: ★★★★★
体長: 3〜4cm(前翅長)
見かける時期: ほぼ一年中(成虫で越冬)
生息地: 本州〜沖縄

ほとんどの人が見たことがあるチョウ。
丘陵地や農地、山地、森林の林縁部、雑木林など広く分布する。オスは吸水をよく行うため、地面にいる姿を見かけることも多い。絶滅危惧種のツマグロキチョウと比べると個体数はとても多い。

スジボソヤマキチョウ

スジボソヤマキチョウ
スジボソヤマキチョウ

スジボソヤマキチョウ
スジボソヤマキチョウ(翅裏)
分類: /シロチョウ科/モンキチョウ亜科/ヤマキチョウ属
見かける頻度: ★★★☆☆
体長: 3〜4cm(前翅長)
見かける時期: ほぼ一年中(成虫で越冬)
生息地: 東北地方、中国山地、四国の山地、九州のごく一部

夏眠する種。丘陵地や山地、森林の林縁部(林の周縁地域)、雑木林に現れる。吸水をよく行うため、地面にいる姿を見かけることも多い。絶滅危惧種のヤマキチョウと比べると個体数は多いが、減少傾向にある。

シジミチョウ科

チョウの名前 特徴・生息場所・
見つけ方

ルリシジミ

ルリシジミ
ルリシジミ

ルリシジミの翅裏
ルリシジミの翅裏
分類: /シジミチョウ科/ヒメシジミ亜科
見かける頻度: ★★★★☆
体長: 1.2-1.9cm前後(前翅長)
見かける時期: 3〜10月(成虫)
生息地: 全国

森林や河川、林、都市部の公園で一般的に見られる。フジやクズ、クララの花に集まる。

ヤマトシジミ

ヤマトシジミ
ヤマトシジミ(オス)

ヤマトシジミとカタバミ
ヤマトシジミとカタバミ
分類: /シジミチョウ科/ヒメシジミ亜科
見かける頻度: ★★★★★
体長: 1-1.5cm前後(前翅長)
見かける時期: 4〜11月(成虫)
生息地: 本州・四国・九州・沖縄

公園や林、雑木林、草原、人家、河川などで普通に見かける種。食草はカタバミという植物なので、この植物が生えている場所で見られる。

ベニシジミ

ベニシジミ
ベニシジミ
分類: /シジミチョウ科/ベニシジミ亜科/ベニシジミ属
見かける頻度: ★★★★☆
体長: 1.5cm前後(前翅長)
見かける時期: 3〜11月(成虫)
生息地: 北海道・本州・四国・九州

公園や林、雑木林、草原、人家、河川などで普通に見かける種。花はタンポポやヒメジオン、ヘビイチゴなどの雑草にいる。

オオルリシジミ絶滅危惧種Ⅰ類

オオルリシジミ
オオルリシジミ
分類: /シジミチョウ科/ヒメシジミ亜科/オオルリシジミ属
見かける頻度: ★☆☆☆☆
大きさ: 3cm(前翅長)
見かける時期: 5月~7月初旬(成虫)
分布: 長野県、新潟県、九州のごく一部

かつては東北地方や中国地方など日本に広く生息。しかし、今ではほとんどの地域で絶滅し、長野県、新潟県、九州のごく一部の狭い地域に生息するだけ。近い将来絶滅する可能性が極めて高い種。これまで生息地の一つとされていた群馬では近年、消滅した可能性がある。

ムラサキシジミ

ムラサキシジミ

ムラサキシジミの雌の翅裏
ムラサキシジミの雌の翅裏
分類: /シジミチョウ科/ミドリシジミ亜科/ムラサキシジミ族/ムラサキシジミ属
見かける頻度: ★★★★☆
大きさ: 30〜40mm
分布: 本州・四国・九州・沖縄

翅の表の中心部分が青紫色で光沢があり、周囲は色褪(あ)せた黒褐色。平地や低山の水辺や林、涼しいところに現れる。幼虫はコナラ、クヌギ、スダジイ、アラカシなどのブナ科の葉を食べる。

タテハチョウ科

チョウの名前 特徴・生息場所・見つけ方

オオムラサキ

オオムラサキ(オス)(山梨県韮崎市)
オオムラサキ(オス)(山梨県韮崎市)

オオムラサキ(メス)
オオムラサキ(メス)
分類: /タテハチョウ科/コムラサキ亜科/オオムラサキ属
見かける頻度: ★★☆☆☆
大きさ: 50〜55mm(前翅長)
分布: 北海道・本州・四国・九州

国蝶。国内のタテハチョウ科で最大級。雑木林や里山の減少で個体数が減り、環境省レッドリストでは準絶滅危惧に指定されている。山梨県の北杜市や韮崎市などでは普通に見られる。オオムラサキの幼虫は「むーちゃん」と呼ばれ、親しまれる。

アカボシゴマダラ

アカボシゴマダラ
アカボシゴマダラ(夏型オス)
分類: /タテハチョウ科/コムラサキ亜科/アカボシゴマダラ属
見かける頻度: ★★☆☆☆
大きさ: 40〜50mm(前翅長)
分布: 関東を中心にした本州
食草: エノキ

特定外来生物。もともとは中国にいる種。1998年に神奈川県で生息が確認され、その後関東を中心に生息広がる。食性が同じエノキであるため、適応力の強いアカボシゴマダラがオオムラサキの個体数が減少させる可能性が指摘されている。

ルリタテハ

ルリタテハ
ルリタテハ

ルリタテハ
ルリタテハの翅裏
分類: /タテハチョウ科/タテハチョウ亜科/タテハチョウ族/ルリタテハ属
見かける頻度: ★★★★★
大きさ: 25〜45mm(前翅長)
分布: 北海道〜沖縄。全国
食草: ヤマユリ、オニユリなどのユリ科植物

鮮やかな青い帯を上翅、後翅の辺縁にもつ。公園、林、森などでよく見かける。クヌギの樹液などにもよく集まる。

ジャノメチョウ

ジャノメチョウ
ジャノメチョウ

 

ジャノメチョウ
ジャノメチョウ
分類:/タテハチョウ科/ジャノメチョウ亜科/ジャノメチョウ属
見かける頻度: ★★★★☆
大きさ: 28〜42mm(前翅長)
分布: 北海道〜九州
食草: イネ科の植物、カヤツリグサ科の植物など。

市街地で見かけることはまれだが、里山や田舎の公園、林、森などではよく見かける種。ヒメジョオンやアザミの花にとまっている姿をよく見かける。

クロコノマチョウ

クロコノマチョウ
クロコノマチョウ

 

分類:/タテハチョウ科/ジャノメチョウ亜科/コノマチョウ属
見かける頻度: ★★★☆☆
大きさ: 31〜44mm(前翅長)
分布: 本州南部、四国、九州
見かける時期:4〜11月
食草: イネ科の植物、ススキ、ジュズダマ、ヨシなど。     

公園、河川敷、森林で見かける。とまっているときは翅を開かないのはジャノメチョウ亜科らしい。ウスイロコノマチョウに似ている。

コミスジ

コミスジ
コミスジ
分類: /タテハチョウ科/イチモンジチョウ亜科/ミスジチョウ属
見かける頻度: ★★★★☆
大きさ: 2.2〜3cm前後(前翅長)
分布: 北海道・本州・四国・九州

チョウや鳥はその種類によって飛び方にクセがあるが、コミスジはまるでヒヨドリのように少しの羽ばたきで長く滑空するように飛ぶ。見ていると気持ちよさそうで自分も飛びたくなる。平地から山地にかけ広く分布し、公園や林、水辺、農地などで見かける。幼虫はクズ、フジなどのマメ科植物を食べる。

サトキマダラヒカゲ

サトキマダラヒカゲ
サトキマダラヒカゲ
分類: /タテハチョウ科/ジャノメチョウ亜科/マネシヒカゲ族/キマダラヒカゲ属
見かける頻度: ★★★★☆
大きさ: 2.5-4cm前後(前翅長)
分布: 北海道・本州・四国・九州

森林や山地からつながる林などで見られ、樹液を吸う。人の気配ですばやく飛び去る。日本固有種。幼虫はササや竹を食べる。

ヒメヒカゲ絶滅危惧種Ⅰ類

ヒメヒカゲ
ヒメヒカゲ
分類: /タテハチョウ科/ジャノメチョウ亜科
見かける頻度: ★☆☆☆☆
大きさ: 16~23mm(前翅長)
見かける時期: 6~7月(成虫)
分布: 本州のごく一部

高度経済成長期の都市・住宅地開発などで湿原や湿地は全国的に大幅に減少、湿地に生息するヒメヒカゲは激減し、今は本州中部以西、近畿、中国地方のごく一部で分断された形で生息。近い将来絶滅する可能性が極めて高い種。農薬散布や杉檜の植林、昆虫収集家の採集なども個体数減少の原因とされている。チョウ好きなら後世の人たちにも見てもらいたくないのか、自分たちが所有することを優先するのか。

ツマグロヒョウモン

ツマグロヒョウモン メス
ツマグロヒョウモン メス

ツマグロヒョウモンのオス
ツマグロヒョウモン オス
分類: /タテハチョウ科/ドクチョウ亜科/ヒョウモンチョウ族
見かける頻度: ★★★★☆
大きさ: 38〜45mm(前翅長)
見かける時期: 4月〜11月(成虫)
分布: 本州〜沖縄(一部北海道に迷いチョウ)

パンジーやスミレ、アザミなどの花に集まる。オスの方が色鮮やかなことが多いチョウの中で、本種はメスの模様の方が派手。

ヒメアカタテハ

ヒメアカタテハ
ヒメアカタテハ
分類: /タテハチョウ科/タテハチョウ族/アカタテハ属
見かける頻度: ★★★★☆
大きさ: 30mm(前翅長)
見かける時期: 4月〜10月(成虫)
分布: 全国。南極大陸以外のすべての大陸に分布

スミレ、パンジー、アザミなどの花に集まる。世界中に分布する。

ミドリヒョウモン

ミドリヒョウモン
ミドリヒョウモン(オス)
分類: /タテハチョウ科/ドクチョウ亜科/ヒョウモンチョウ族
見かける頻度: ★★★☆☆
大きさ: 35-40mm(前翅長)
見かける時期: 6〜9月
分布: 北海道・本州・四国・九州

低地から山地、高原帯まで広く生息し、素早く飛び回る。幼虫は野生のスミレ科の植物を食べ、成虫はアザミなどの花の蜜を吸う。

オオウラギンスジヒョウモン

オオウラギンスジヒョウモン
オオウラギンスジヒョウモン
分類: /タテハチョウ科/ドクチョウ亜科/ヒョウモンチョウ族
見かける頻度: ★★★★☆
大きさ: 35-43mm(前翅長)
見かける時期: 6〜9月
分布: 北海道・本州・四国・九州

低地から山地、高原帯まで広く生息し、富士山の登山道などでも見かけることができる。幼虫は野生のスミレ科の植物を食べ、成虫は花の蜜を吸う。

スミナガシ

スミナガシ
スミナガシ(山梨県韮崎市)

スミナガシの翅裏
分類: /タテハチョウ科/スミナガシ属
見かける頻度: ★★☆☆☆
体長: 32-44mm
見かける時期: 5〜8月(成虫)
生息地: 本州〜南西諸島

宮中の遊び「墨流し」(水に墨を流してその模様を楽しむ)に由来。青の墨が混じる淡緑色。本州から南にかけて生息、幼虫はアワブキ、ヤマビワなどを食べる。個体数は減少しており、地方自治体により絶滅危惧種に指定。

セセリチョウ科

チョウの名前 特徴・生息場所・見つけ方

オオチャバネセセリ

オオチャバネセセリ
オオチャバネセセリ
分類: /セセリチョウ科/オオチャバネセセリ属
見かける頻度: ★★★☆☆
体長: 前翅長16~23mm
見かける時期: 6〜9月(成虫)
生息地: 北海道〜九州

平地から高山にかけて広く生息するが、平地では生息数が減少傾向。チャバネセセリやミヤマチャバネセセリ、イチモンジセセリと似ているが、白斑の違いで区別できる。