ツマグロヒョウモンはオスよりメスの方が色鮮やか。オスの方が地味。
もくじ
ツマグロヒョウモンの分類
チョウ目/タテハチョウ科/ドクチョウ亜科/ヒョウモンチョウ族/ツマグロヒョウモン属
見かける頻度
★★★★☆
大きさ
38〜45mm(前翅長)
ツマグロヒョウモンの分布
本州〜沖縄(一部北海道に迷いチョウ)
見かける時期
4月〜11月(成虫)
ツマグロヒョウモンの生態・特徴
パンジーやスミレ、アザミなどの花に集まる。また、草地の地面にじっとしていることもある。
オスとメスで模様が異なる。多くのチョウがオスの方が派手だったり、色が鮮やかであることが多いが、ツマグロヒョウモンの場合はメスの方が派手。
メス・・・前翅先端部に白帯と濃青色、紫色の模様がある。また、個体差もあるが、前翅の根元側が赤〜ピンク色となる(そうならない場合もある)。
オス・・・後翅の外縁が黒い波模様。一般に、ヒョウモン系のチョウは一目では区別が難しいが、ツマグロヒョウモンだけはオスもメスも容易に区別できる。
メスは有毒チョウ・カバマダラに擬態しているかも?
カバマダラという体内に毒を有して鳥などに食べられないようにしているチョウがいる。このカバマダラの模様とツマグロヒョウモンのメスの模様がそっくりであるため、ツマグロヒョウモンはカバマダラに擬態して、鳥の捕食を免れているとされる。
ただし、この推測には異論もある。カバマダラは日本土着のチョウではなく南方からの迷蝶で、本州では太平洋側の沿岸部でまれに見かけるだけである。つまり、本州の鳥たちはカバマダラの毒性を知らない可能性が高く、ツマグロヒョウモンの擬態が意味を持たない可能性がある。ただし、温暖化によりツマグロヒョウモンの生息域が急速に変化したため、当初の生息域では成り立っていた擬態が今は機能しなくなった可能性も考えられる。