オオルリシジミはシジミチョウ科のチョウ。長野県、群馬県、新潟県、九州の山地に生息しますが、個体数は非常に少なく、近い将来、絶滅が危惧されています。
本州亜種は絶滅危惧IA類(CR)に、九州亜種は絶滅危惧IB類(EN)に指定されています。
オオルリシジミ(Shijimiaeoides divinus)の分類
チョウ目/アゲハチョウ上科/シジミチョウ科/ヒメシジミ亜科/オオルリシジミ属
オオルリシジミの特徴
ルリシジミ、オオゴマシジミ、ゴマシジミと似ています。本州亜種では翅の上面(翅表)にはJack Wolfskin(ジャック・ウルフスキン)のロゴマークに似た黒斑があります。九州亜種では、この黒斑はないか薄いようです。
オオルリシジミの大きさ
3cmほど。似ている仲間で私たちの暮らしに身近なルリシジミは12~19mmなので、ルリシジミより一回り大きいことになります。
オオルリシジミを見かける時期
5月~7月初旬(成虫)
オオルリシジミの分布
かつては東北地方や中国地方など日本に広く生息していました。しかし、今ではほとんどの地域で絶滅し、長野県、新潟県、九州のごく一部の狭い地域に生息するだけとなりました。さらに、これまで生息地の一つとされていた群馬でも消滅した可能性があります。
出典は以下。
オオルリシジミの生態
幼虫はクララというマメ科植物を食べます。そのため成虫のメスはクララの新芽などに卵を産みます。
このクララの減少が絶滅の原因と考えられています。クララは農村環境の変化により大幅に野生生育地を減少させ、その影響を受けてオオルリシジミも絶滅に瀕していることが分かっています。
そのため、長野県安曇野市ではクララの植物を公園内や水田周辺で育てたり分布調査することで、オオルリシジミを保護してきました。その取り組みの甲斐あり、オオルリシジミの分布が拡大傾向に転じたことが2020年5月にニュースとなりました。
ちなみにクララは有毒で、過剰摂取で脳の麻痺や呼吸困難で人が死に至るケースもあります。オオルリシジミが摂食しているからといって人が摂食するのは非常に危険です。人とチョウでは作用機序が違うようです。