分類:昆虫綱/コウチュウ目/カブトムシ亜目/コメツキムシ下目/タマムシ上科/タマムシ科
大きさ:30〜40mm
分布:本州・四国・九州
大きさ:30〜40mm
分布:本州・四国・九州
もくじ
タマムシの特徴、歴史
市街地から里山まで、低山〜平地まで広く分布し、ケヤキやエノキなどの周りで飛んでいます。夏の暑い日でも高いところをゆっくり飛んでいるため、キラキラしていて気がつくことが多いです。
ルリボシカミキリなど美しい色は死ぬと変色して失われることも多いですが、タマムシの金属光沢は死んでも失われません。そのことともあり、昔から現在にかけて工芸の装飾などに使われてきました。古くは法隆寺所蔵の飛鳥時代の工芸品「玉虫厨子(たまむしのずし)」が有名です。「厨子(ずし)」とは、仏像などを納める台座付き木工品のことで、玉虫厨子は高さ233cm。材料の檜に精巧な彫りと絵画、金具細工を施し、その柱などにタマムシの翅がはめ込まれ、さらに唐草模様の透かし彫の金具を上から重ねるというこだわりよう。
当時の職人はルリボシカミキリもその細工材料として検討したかもしれせん、とても美しい虫ですから。しかし、褪色してしまうためそれを材料とするのは難しかったでしょう。褪色しないということなら、アカガネサルハムシやオオセンチコガネも候補にできたでしょう。しかしタマムシが選ばれたのは、今もそうですが、幸運を連想させる虫だったからかもしれません。
「タンスに入れておくと着物が増える」という謂れがありますが、着物の減少とともにその言い伝えを聞くことも少なくなったようです。ちなみにタマムシに限らず虫の死骸を入れておくと、それを食べに服に穴を開けるカツオブシムシなども増えることがあるので、あまり虫の死骸は入れない方がいいでしょう、翅だけ入れておくなら問題ないと思いますが。