タニグチコブヤハズカミキリは日本固有種。
晩秋、地面に落ちている葉を裏返し不意に本種を見つけた時の感動は今でも忘れることはない。
もくじ
大きさ
体長11〜18mm前後。
分布
少なくとも山梨県、長野県、岐阜県に分布することが知られている。南アルプス、八ヶ岳、中央アルプス、北アルプスに生息する。
生態
カラマツ、コメツガ、ブナ、ミズナラなどの亜高山性樹木で、下草がクマザサなどの笹が広がっている地域で見られる。カミキリムシにしては、中部地方で11月まで見られる。成虫は9月に現れ、フキの仲間やヤマブドウ、ヒノキ、ブナ、ナラ類など広範な広葉樹・針葉樹の葉を食べ、そのまま越冬する。
カミキリムシの中では珍しく飛ばないため、サンショウウオやオサムシのように地域毎の種分化が進むこととなった。本種はその一つであり、他にもフジコブハヤズカミキリ、マヤサンコブヤハズカミキリ、チュウブマヤサンコブヤハズカミキリ、コブヤハズカミキリなどが知られる。これらは本州、四国など距離を隔てた地域に分布するのではなく、中部地域内で分布するなど狭い範囲で種分化が見られる。
特徴
お尻(翅の先端部分)は2カ所がとがり、矢筈(矢を弦にかける部分)に似る。これがヤハズカミキリの名前の由来である。