イガブチヒゲハナカミキリ

イガブチヒゲハナカミキリ
2024/07/29

図鑑やコアな昆虫サイトで何度となく眺め、いつか一度は見てみたい。そんな憧れの虫は、憧れのままであることも多いが、本種はついに目の前に現れてくれた。

本種が姿を現すのは、限られた時期の限られた山域である。狙いを絞っていそうな場所に訪れ、3ヵ所目のノリウツギにて、イガちゃんのメスが訪花しているのを見つけた。

森林の中でも、ブナ林などが出始める山地帯、針葉樹林帯が出始めるあたりの標高に生息する日本固有のカミキリムシ。ノリウツギなど山地性の植物に訪花する。市街地や河川には見られない。

いかにもハナカミキリらしい形だが、何か重々しい貫禄がある。触角の基部が何カ所か黄白色である。

見かけるのはもっぱら7月〜8月である。

国(環境省)のレッドリストには掲載されていないが、京都府で「絶滅種」、愛知県で「絶滅危惧種ⅠB種」に指定され、数は少ない。

写真

分類

カミキリムシ科/ハナカミキリ亜科

学名

Corymbia igai

大きさ

体長18〜25mm

分布

本州、四国、九州

寄生植物

サクラ、トウヒ、サワラが知られる。

近縁種「ブチヒゲハナカミキリ」との違い

近縁種「ブチヒゲハナカミキリ」と似るが、以下の見分けポイントで区別可能

  1. イガブチヒゲハナカミキリ(18〜25mm)の方がブチヒゲハナカミキリ(13~16mm)より一回り大きい。
  2. イガブチヒゲハナカミキリは前胸が無毛だが、ブチヒゲハナカミキリは前胸が毛で覆われている。
  3. イガブチヒゲハナカミキリのオスはブチヒゲハナカミキリのオスと比べ、後ろ脚の中間部分(後肢腿節)が強く湾曲し、かつ扁平しているため太い。
  4. イガブチヒゲハナカミキリのメスの前胸が赤い(写真)が、ブチヒゲハナカミキリのメスの前胸は黒い。

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*PhotoACより

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