タマムシといえば体の見事な金属光沢で天敵の鳥からの捕食を免れることで知られるが、このタマムシは金属光沢をほとんど持たない。また、マツを食べるため、建材や家具材の害虫として知られる。
もくじ
クロタマムシの分類
コウチュウ目/タマムシ科/クロタマムシ属
クロタマムシの大きさ
11〜22mm
クロタマムシの分布
全国。北海道〜沖縄
クロタマムシの生態
幼虫はマツ類やモミ類の木で育つ。成虫は6~8月に現れ、7~8月に伐採木や枯れ木に産卵する。
クロタマムシによる被害〜家や建材など
室内で、新築の家の梁や柱、家具などからクロタマムシの成虫が出てくることがある。
これは建材が伐採前ないし伐採木のときに、クロタマムシが産卵したためである。カミキリムシの幼虫は木の中で穴を掘り進め、その木くずを食べて数年かけて成長していく生態を持つ。そのため、建築後家の中の建材から成虫が出現する。
クロタマムシの場合、5年〜10年以上経ってから成虫が顔を出すことが報告されている。クロタマムシのホスト(宿主の木)はマツやモミであるゆえ、松の梁やログハウスなどでこのようなケースはよく見られる。
そのためクロタマムシは木材の害虫とされるが、家の乾燥した材などには産卵しないので、クロタマムシの成虫が家に入ったからといって被害が発生するわけではない。また、クロタマムシの幼虫により家や家具が強度的に問題になるケースもあまりないようである。
クロタマムシの外観的な特徴
頭部や胸部に白く細かな点々模様がある。
また、光の加減により、わずかに緑色、赤銅色、紫色の金属光沢を帯びる。
クロタマムシのメスとオスの違い
メスは顔に模様はないが、オスは顔にオレンジ色の紋がある。