もくじ
シリアゲアリ属〜毒針を持ち、毒液を吹き付ける。
サソリみたいにお腹をアゲるシリアゲアリ。そそり立たせるため、胴体(胸部)とお尻(腹部)の結合部は腹部の背中側へと進化。敵に出くわすと、お尻を高くあげて威嚇する。また、お尻の先に毒針を備え、刺したり毒液を飛び散らせたりする。
シリアゲアリ属は日本では以下の7種知られ、とくにはじめの3種が有名。
キイロシリアゲアリ
全国に分布。土の中や石の下に営巣。黄色い。ヒアリに間違えられる。
ハリブトシリアゲアリ
北海道から九州にかけて分布。頭部から胸部にかけて褐色味が強い。
テラニシシリアゲアリ
本州から沖縄にかけて分布。体全体が黒い。
クボミシリアゲアリ
ハリブトシリアゲアリと同じく褐色味が強い。前胸側面に光沢があることで区別できる。
ツヤシリアゲアリ
本州(静岡、岐阜以南)に分布。褐色〜黒褐色。
スエヒロシリアゲアリ
石垣島に分布
ハリナガシリアゲアリ
奄美大島に分布
シリアゲアリとヒアリを見分けポイント
その姿が似ているため、シリアゲアリ(とくにキイロシリアゲアリ)はヒアリと間違えられることが多い。区別の一つは、腹部の付き方を見ること。シリアゲアリは胴体(胸部)からお尻(腹部)への付け根が背中側へと移動している。対して、ヒアリは通常のアリと同じで接続部は背中側ではなく地面側にある。
テラニシシリアゲアリの分類
アリ科/フタフシアリ亜科/シリアゲアリ属/シリアゲアリ亜属
テラニシシリアゲアリの大きさ
体長 働きアリ:2〜4mm、女王:6mm
テラニシシリアゲアリを見かける頻度
★★★★☆
テラニシシリアゲアリを見かける時期
4〜12月
テラニシシリアゲアリの分布
本州〜沖縄
テラニシシリアゲアリとハリブトシリアゲアリの見分けポイント
両種はよく似るが、以下が区別ポイント
テラニシシリアゲアリの方が黒っぽい
ハリブトシリアゲアリは頭部から胸部にかけて褐色味が強い(ただし個体差もある)。
前伸腹節刺(胸部から後方へ向けてのトゲ)がテラニシシリアゲアリは細長く針状
ハリブトシリアゲアリは太くて短い。
テラニシシリアゲアリの後腹柄節の背面は縦に割れ目がありお尻のよう
ハリブトシリアゲアリには割れ目はない。
テラニシシリアゲアリの生態・特徴
テラニシシリアゲアリは木の枝や竹の中に巣を作る小型のシリアゲアリ。基本的には樹上営巣の生態を持つが、地面に積まれた枝や竹にも営巣する。
朽ちた竹を拾い上げると何匹かついていることが多い。そんなときは、その竹には数カ所小さな穴が見つけられる。それが巣への入り口である。
本来攻撃性の高いアリではあるが、そのような竹を持っていても、直接手でアリを触れない限り攻撃してはこない。
アブラムシのみならずツノゼミの幼虫から甘い液を受け取り共生関係を築く。
敵などに遭遇すると、威嚇して尻を上げ、毒針から毒液を噴射する。人にはほぼ無害だが、不用意に攻撃されたくはない。
テラニシシリアゲアリの写真