下の山梨県のレッドリスト(解説?)にも記載されている通り、クロズジュウジアトキリゴミムシは専門家でも15年に1回見かけるかどうかの頻度という。
国内には数種のジュウジアトキリゴミムシ属が生息するが、中でもクロズジュウジアトキリゴミムシは珍しい種である。
ネットで標本として高値で取引されることがある(たとえば「1個体9,000円」。2021年12月確認)。
ゴミムシの標本ファンが多いのは、希少な種が多いためか?
ちなみに、環境省レッドリスト2020【昆虫類】の『絶滅(EX)』カテゴリー、つまりすでに絶滅してしまった種に指定されているのは4種だが、そのうち実に2種はゴミムシである(コゾノメクラチビゴミムシ、カドタメクラチビゴミムシ)。残りの2種はスジゲンゴロウとキイロネクイハムシ。
クロズジュウジアトキリゴミムシの写真
分類
コウチュウ目/オサムシ科
大きさ
7mm前後
珍しさ
★☆☆☆☆?
分布
北海道、本州、九州、沖縄(この地域に当てはまる都道府県でも多くの場合生息しているかは不明であり、生態の詳細は分かっていない)
クロズジュウジアトキリゴミムシは長野で準絶滅危惧種
長野県では準絶滅危惧種、山梨県では情報不足に指定。自然豊かな同県でこの状況であるので、他の都道府県では個体数はかなり少ないかほとんど生息しないと推測される。
生態・特徴
生態は詳しく分かっていないが、ミヤマジュウジアトキリゴミムシなどと同様シシウドなどの花についている様子を観察したことがある。
背中の黒褐色部分が「十字(ジュウジ)」に見えるためそう名付けられたというが、どちらかというと赤い斑点が目立ち、十字を見るのは無理がある。