日本で見られるクワガタ、カブトムシを写真で紹介しています。
オスとメスで見た目が違うので、同定しやすいようにそれぞれ載せています。
★が少ないほど珍しい種です。
もくじ
ノコギリクワガタ
全国で一般的に見られる。平地から山地に分布し、クヌギ・ミズナラ・ヤナギ・コナラ・ニレ・ハンノキなどに集まる。樹液を吸う。夜行性で動きは活発。昼でも見かける。
市街地の雑木林など比較的都市環境の要素が強い地域でもふつうに見られる。活動性・適応力が強く、他のクワガタ種よりも個体数で優位になる場所が多い。
コクワガタ
コウチュウ目/クワガタムシ科/オオクワガタ属/コクワガタ亜属(体長:オス22-53mm、メス21-30mm、分布:全国)
生息数は多い。小型個体と大型個体がいる。コクワガタの大型個体はノコギリクワガタの小型個体ぐらい大きい。
ノコギリクワガタと同じく、木を蹴って振動を与えると、外敵(鳥)からの回避行動として、枝から手を離して地面に落ちてくる。
都会の公園や街路樹にも生息、夜の窓の明かりで飛んでくることもある。
スジクワガタ
コウチュウ目/クワガタムシ科/オオクワガタ属/コクワガタ亜属(体長:オス14-39mm、メス15-24mm、分布:沖縄を除く全国)sしゅって
スジクワガタはコクワガタとおなじくらいの大きさで、小型個体と大型個体がいる。
クヌギなどの樹液を吸う。
ミヤマクワガタ
コウチュウ目/クワガタムシ科/ミヤマクワガタ属 (体長:オス42-79mm、メス25-40mm、分布:沖縄除く全国)
頭部に複雑な凹凸(おうとつ)がある。
標高の高い山域や林にいる。夜行性とは限らず、昼に活動する個体も多い。
ノコギリクワガタ、コクワガタと同じように、木を蹴って振動を与えると、外敵(鳥)からの回避行動として、枝から手を離して地面に落ちる習性がある。また、夜、ライトにも集まってくる。
アゴの形のよって、ヤマ型・フジ型(さと型)、エゾ型に分けられることがある。
ヒラタクワガタ
コウチュウ目/クワガタムシ科/オオクワガタ属/ヒラタクワガタ亜属 (体長:オス20-110mm、メス20-50mm、分布:本州より南)
日本最大級のクワガタ。平べったい体型からヒラタと名付けられた。
頭や前肢が生える胴体部分はざらざら感があり、はねが付いた背中だけつるつるしている。また、つるつる部分には一本はっきりとスジが見られる。
北海道を除く全国に分布するが、西日本で多く、東日本で少ない。
スジブトヒラタクワガタ
コウチュウ目/クワガタムシ科/オオクワガタ属/ヒラタクワガタ亜属 (体長:オス23-70mm、メス26-40mm、分布:奄美大島・徳之島加計呂麻島・与路島などの南方諸島)
日本固有種。はっきりとしたスジが見られる(これほどはっきりとスジがあるクワガタは他にいない)。
他の地域のクワガタが島にたどり着いて独自に進化したと考えられている。
アカアシクワガタ
コウチュウ目/クワガタムシ科/オオクワガタ属/アカアシクワガタ亜属 (体長:オス28-58mm、メス30-38mm、分布:沖縄除く全国)
あしのつけねが赤く、アゴがオオクワガタに似ている。雑木林やブナ林に生息。標高800メートル以上の比較的涼しい場所を好む。
コルリクワガタ
コウチュウ目/クワガタムシ科/オオクワガタ属 (体長:オス25-57mm、メス25-40mm、分布:北海道〜九州)
コウチュウ目/クワガタムシ科/ルリクワガタ属 (体長:オス9-15mm、メス8-13mm、分布:東北〜九州)
春先から初夏にかけて、ブナの原生林で、ブナの新芽の液を吸う。標高の高いブナ林や東北地方の低地などで見かける。
チビクワガタ
みつかる頻度【★★★☆☆】
コウチュウ目/クワガタムシ科/チビクワガタ属 (体長:オス8-16mm、メス8-16mm、分布:関東〜九州)
オスとメスの区別が難しい。大きさも同じ。
コクワガタと同じく、倒木、朽ち木の中にたくさん集まって生息する。成虫は飛翔し明かりに集まる。
関東より南の本州に生息。東北地方では見られない。
ヒメオオクワガタ
標高1000-1500mの高山に生息。
ブナなどの木の表面にアゴで傷をつけて樹液を吸う。ミズナラ、ダケカンバ、ヤナギ、ヤマザクラ、シラカバなどの樹液を吸う。
当初、滅多に見られない珍しいクワガタとして有名であったが、1982年大量に生息している場が見つかりその生態が明らかになると、各地で見つかるようになった。
それでも、分布は局所的で簡単に見つけることはできない。また、ほとんどの都道府県でレッドデータブックのレッドリストに指定されている。
千葉県ではまだ見つかっていない。
オオクワガタ
コウチュウ目/クワガタムシ科/オオクワガタ属/オオクワガタ亜属 (体長:オス28-77mm、メス26-49mm、分布:全国)
日本最大級のクワガタ(ただし、地域差もあるが、ヒラタクワガタの方が大きい場合が多い)。
雑木林の伐採や丘陵帯の開発、乱獲などで野生個体は減少、環境省により絶滅危惧II類指定。
クヌギの台木林やブナ帯の原生林に生息する。
人の気配、物音ですぐに木の奥の方へ隠れる。飛ぶことは滅多にない。そのため、生息地ごとに遺伝的に変異があると言われている。
オニクワガタ
コウチュウ目/クワガタムシ科/オニクワガタ属 (体長:14-20mm 分布:全国)
ブナ林に生息。標高が1000〜2000mと高く、都市部や平地で見かけることはない。
屋久島にはヤクシマオニクワガタというオニクワガタの仲間が生息、オニクワガタは別種(国立科学博物館専報 8, 155-, 160-2, 1975)。
マダラクワガタ
コウチュウ目/クワガタムシ科/マダラクワガタ属 (体長:5mm 分布:北海道〜九州)
褐色で凹凸がある。とても小さいクワガタ。
標高400m〜1000m以上(高山帯)まで分布。
コクワガタ、チビクワガタと同様、朽ち木にたくさん集まって生息する。ミズナラ、ブナ、ツバキ類の木にいることが多い。
ツヤハダクワガタ
コウチュウ目/クワガタムシ科/ツヤハダクワガタ属 (体長:12mm 分布:北海道〜本州)
黒色で光沢が強い。以上(高山帯)まで分布。
標高1000〜2000mの朽ち木に生息。ミズナラ、ブナ、モミなどにいる。
このクワガタの特徴は体の形。ふつうのクワガタは平ら(扁平)だが、ツヤハダクワガタはつつ状(円筒状)。
名前の由来は『つや肌』。
ヤマトサビクワガタ
コウチュウ目/クワガタムシ科/サビクワガタ属 (体長:オス15~25mm メス16~22mm 分布:九州、徳之島)
泥が着いたような背中だが、もともとの模様。
果物や樹液に集まる。
日本で生息する場所は限られており、九州南端と徳之島に生息するとされるが、九州南端ではもうほとんど個体確認されていない。
光に集まる。
カブトムシ
コウチュウ目/コガネムシ科/カブトムシ亜科/カブトムシ属 (体長:オス30〜55mm(角はのぞく)、メス30〜50mm 分布:全国)
コカブトムシ(または、コカブト)
コウチュウ目/コガネムシ科/カブトムシ亜科/コカブト属 (体長:18mm-26mm 分布:全国)
3cmにも満たない小さなカブトムシの仲間。小さな角が頭部にある。樹液ではなく、虫の幼虫や死骸を食べる。
タイワンカブト(または、サイカブト)
クロマルカブト
ヤンバルテナガコガネ
コウチュウ目/コガネムシ科/テナガコガネ属 (体長:オス50-65mm、メス40-60mm、分布:沖縄本島)
沖縄本島の山原(ヤンバル)と呼ばれる原生林にだけ生息。1983年に発見された。採集、飼育は禁止されている。
幼虫が成虫になるには特殊な環境の大木が必要で、ヤンバルの森の中でもある特定の場所にしかいないと言われている。
体は緑銅色と赤銅色が混ざる。
成虫はカシやシイの樹液を吸う。また、その体の大きさにもかかわらず、よく飛翔し、ライトに向かって飛んでくることもある。