ハグロトンボ

ハグロトンボ
2020/10/20

分類

昆虫綱/トンボ目/カワトンボ科/アオハダトンボ属

見かける頻度

★★★☆☆

ハグロトンボの大きさ

体長57〜68mm

見かける時期

5〜10月

分布

本州・四国・九州

ハグロトンボの特徴・生態

中型のとんぼ。少し田舎の、ゆるやかな清流や小川で見つけられる。小さな虫を捕まえて食べる。

黒色の翅に明瞭な筋模様が浮き立つ。胴体は金属光沢を帯びた緑色。本州から九州にかけて水辺でよくみかける。オスは体に緑色の金属光沢があり、メスはマットな黒褐色、暗紫色。

川辺をひらひらと舞うように飛び、頻繁に水辺の草にとまる。草木にとまるときは、四枚の羽根を少し広げた状態で動かしたり、ときには重ねて綺麗に閉じる。

ハグロトンボとご先祖様・お盆

黒い羽は喪を思わせ、本種がお盆の時期になるとよく見かけることもあり、地域により、「精霊(しょうりょう)とんぼ」、「神様とんぼ」、「仏(ほとけ)とんぼ」なども別称も持つ。甲府では、お盆にご先祖がこの虫になって戻ってくるといういわれがあり、ハグロトンボを見てお盆を連想する年配者も多い。

草木にとまったハグロトンボは、翅(はね)を丁寧に開いたり閉じたりするが、その様子は人がご先祖に手を合わせて祈る姿を連想させ、そんな習性も本種が全国各所で、ご先祖の魂と結びつけられてきた理由かもしれない。

50年程前なら、たとえば甲府市なら国母などの市街地・中心地の小川で一般的に見かけられたが、現在は水質環境の悪化や生息場所の減少により、個体数は減り、まず見かけなくなった。全国的にも、自治体によっては絶滅危惧種に指定されている(東京など)。

ハグロトンボ メス
ハグロトンボ

ハグロトンボとアオハダトンボの見分け方

同じアオハダトンボ属のハグロトンボと非常によく似ているが、区別方法は以下。

  1. アオハダトンボの方が翅が太く、湾曲している。ハグロトンボの方が翅が細い。しかし、この特徴だけで見分けるのは難しい。
  2. アオハダトンボの方がひとまわり小さい(アオハダトンボは体長55mm前後で、ハグロトンボは63mm前後)。
  3. アオハダトンボのメスの翅の先端に白い「偽縁紋」がある(下の写真)が、ハグロトンボの雌には白い「偽縁紋」はない。このポイントでアオハダトンボのメスは確実に見分けられる。
ハグロトンボのオス
ハグロトンボのオス
ハグロトンボ メス
ハグロトンボ メス
アオハダトンボのメス(左)とオス(右)
アオハダトンボのメス(左)とオス(右)

ハグロトンボの写真

ハグロトンボ オス
ハグロトンボ オス
ハグロトンボ オス
ハグロトンボ オス
ハグロトンボ メス
ハグロトンボ メス
ハグロトンボ メス
ハグロトンボ メス
ハグロトンボ メス
ハグロトンボ メス
ハグロトンボ メス
ハグロトンボ メス

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スモールズー

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中部地方・関東地方を中心に虫や鳥、魚の写真を撮っています。