↑絶滅したスジゲンゴロウの写真
ゲンゴロウ。誰もがその名を知る昆虫でありながら、野生個体を見たことがある人はほとんどいないナミゲンゴロウ(ナミゲンゴロウの記事はこちら⇒『ナミゲンゴロウ』)。
でもナミゲン以外にも、もっと状況が深刻なゲンゴロウ種が日本にたくさんいました!
もくじ
「ゲンゴロウは減った」とよく聞くが・・・調べてみたらとんでもない状況・・・
ある日思い立って、環境省が公開しているレッドリストをネットで開き、なんとなく「ゲンゴロウ」とページ内検索してみたら、とんでもない状況に。大量にヒットしたのです。
絶滅危惧に直面するゲンゴロウ種のシビアな状況が一目で分かりましたので、そのキャプチャを下でご紹介していきます。
すでに国内で絶滅認定されたゲンゴロウもいました。スジゲンゴロウです。日本オオカミと同じです。
レッドリストとは?
そのまえに、環境省レッドリストについてご説明。
環境省レッドリストは、絶滅のおそれのある野生生物を以下のカテゴリーで分類したリスト。その詳細版、いわゆるレッドデータブックは、生態、分布、繁殖方法、絶滅要因、保全方法などが具体的に記載された本ですが、それよりもすばやく絶滅の危機を知らせることができるリストとして使われてます。2017年からほぼ毎年改訂されています。
下の表の分類に沿って説明していきます。上に位置するカテゴリーほど、絶滅の可能性が高い!
では、2020年の環境省のレッドリストで、『ゲンゴロウ』と検索した結果をそのまま切り抜いて整理します。
カテゴリー「絶滅(EX)」のゲンゴロウ(=絶滅したゲンゴロウ)
(出典:https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/9/93/Hydaticus_satoi.jpg)
環境省カテゴリー「絶滅危惧ⅠA類」のゲンゴロウ
「絶滅危惧ⅠA類」はもうすぐ絶滅してしまうだろうと考えられている種。
環境省カテゴリー「絶滅危惧ⅠB類」のゲンゴロウ
「絶滅危惧ⅠB類」は野生での絶滅の可能性が高い種。
環境省カテゴリー「絶滅危惧Ⅱ類」のゲンゴロウ
環境省カテゴリー「準絶滅危惧」のゲンゴロウ
これだけ多くのゲンゴロウが絶滅危惧種として登録されている状況。ゲンゴロウという種は、人の活動(水田整備や農薬など)を敏感に反映するような生態を持っているようです。あらゆるゲンゴロウをレッドリストから解除できるような未来が来るといいのですが。