都会部の水田ではまず見つからず、日本の平野部ではほぼ絶滅したと考えられています。今もゲンゴロウが生存している可能性が高いと言われる山間部や地方の水田、沼地でも滅多に見つけることはできません。そのため、昆虫マニアの憧れの存在です。
絶滅が危惧され、野生種は虫マニアでさえなかなか見つけることができない珍しい虫です。
ナミゲンゴロウ、オオゲンゴロウとも言われます。
もくじ
ゲンゴロウの写真
ゲンゴロウ(別名、ナミゲンゴロウ、オオゲンゴロウ)〜絶滅危惧種に指定
国内の水生甲虫類で最大(ただし、水生昆虫全体の最大はタガメ)、昔は食用になるほどたくさんいましたが、今は絶滅危惧II類 (VU)に指定。
見かける頻度
★☆☆☆☆
分類
コウチュウ目/オサムシ亜目/ゲンゴロウ科/ゲンゴロウ属
見られる時期
4〜10月
分布
北海道〜九州
体長
34〜42mm
採取に関しての注意
国(環境省)の絶滅危惧種に指定されていますが、一般的な採取は禁止されていません(販売目的の採取はNG)。
ただし、自治体によっては、条例で捕獲が禁止されている場合があります。たとえば、長崎県や群馬県ではゲンゴロウの捕獲が禁止・規制されています(⇒「長崎県:希少な野生動植物は捕獲・採取等が禁止されています」、「群馬県希少野生動植物の種の保護に関する条例」。群馬県では、条例に罰則を定めていて、違反すると1年以下の懲役又は 50 万円以下の罰金に処せられる場合があります。
捕獲禁止でない県下でみつけたとしても、人為的な捕獲圧が高まることを避けるため、生息地を特定できる情報をネットに公開しないのがルールです。
ゲンゴロウを捕まえるコツ
ゲンゴロウを捕まえるコツは、一年中水が涸れないような休耕田や池、沼で網で水底を泥ごとすくうことです。
また、トラップで鰹節や魚の切り身などをいれてノムラホイホイなどのトラップでも捕まえることができます。
大きなダムの電灯に夜に飛んでくることもあるので、付近でのライトトラップや朝の見回りも有効。
ゲンゴロウの生態、特徴
幼虫、成虫とも肉食で小魚や水生昆虫(マツモムシ、ヤゴなど)、オタマジャクシを食べます。
一年中水が涸れないような休耕田や池、沼などで水草(抽水植物)の茎の中に産卵します。
幼虫はふ化すると1ヵ月ほどで大きく成長し、水田や水辺の土の中で繭(まゆ)を作ってさなぎになります。
その3週間後に成虫の姿になって土から出てきます。