アズマヒキガエルはヒキガエル属の日本固有のカエル。東北から近畿にかけて、また島根県などの山陰地方北部に生息。北海道南部でも見られるが移入種。
特徴・生態
ミミズや昆虫などを食べる。脚や背中にイボが多く見られ、頚部(目の後ろあたり)から毒液を分泌する。
上流域の山地、里山、人家周辺に生息。繁殖期には渓流の淀みや水たまりなどに産卵する。
アズマヒキガエルの毒液
目の後方にある円形のクレータのような隆起(鼓膜)がある。このちょうど上あたりから後方にかけて長いイボがあり(耳腺)、ここから白色の毒液(ブフォトキシン)を染み出すように分泌する。この毒が口や目などの粘膜に触れると炎症を起こし、重症になる恐れもある。そのため、安易に素手で触るべきではない。
なお、国内生息種のヘビであるヤマカガシはアズマヒキガエルやニホンヒキガエルを食べ、その毒を貯めて、頚部の毒腺から分泌することが分かっている。毒を分泌する牙は口の奥にあり、ヤマカガシに深く咬まれると危険と言われるのはこのためである。
アズマヒキガエルとニホンヒキガエルの見分け方
アズマヒキガエルとニホンヒキガエルは亜種の関係であるため似ているが、生息地や鼓膜の位置で見分けられる。
- ニホンヒキガエル:近畿地方南部から四国、九州に生息。『鼓膜の幅(直径)』よりも『目と鼓膜の間』の方がはるかに長い。
- ニホンアマガエル:東北から近畿にかけて生息(ただし、島根県にも自然分布)
- 【見分けポイント②】鼓膜の位置で見分ける『鼓膜の幅(直径)』よりも『目と鼓膜の間』の方が短い、あるいは同程度。
詳しくは以下で説明↓
ニホンヒキガエルとは亜種の関係
ニホンヒキガエルと亜種の関係にある。上述のとおり、ニホンヒキガエルは近畿地方南部から四国、九州に分布し、アズマヒキガエルとは概ね生息地で区別できる。
千葉県では絶滅危惧種Ⅱ類に指定
環境省レッドデータブックには指定されていないが、千葉県では絶滅危惧種Ⅱ類に指定されている。また、東京、栃木など複数の自治体で準絶滅危惧種に指定されている。