虫が嫌いな人は多いですが、それはなぜでしょうか?
虫は危険で害があるから
ある種の虫は危険で人に害があることがまずは第一の理由として挙げられます。
蚊は人の血を吸い、熱帯地方では危険な病原体を媒介します。ゴキブリは不衛生な環境を広げる、スズメバチは刺されると危険、マダニは噛まれると病原体が移ることもあります。
危険な虫を嫌うのは人間の防御反本能で当然のことです。
でもちょっと気になるのは、テントウムシやアリなどでにさえ、見境なくおびえる人がいること・・・
虫が区別できてないから
ある研究では、虫の識別能力が低い人はゴキブリだけでなく、テントウムシにさえ強い嫌悪を抱く傾向が強かったそうです*。
*「なぜ現代人には虫嫌いが多いのか? ―進化心理学に基づいた新仮説の提案と検証―」(https://www.a.u-tokyo.ac.jp/topics/topics_20210312-1.html)
虫の識別能力が低い人が昔と比べて増えていることが、「虫嫌い」が増えている原因のひとつとか。
都市化や密閉住宅が進む現代社会で、虫を見かける機会が減ったこともあるそうです。
生理的に無理だから
でも、ちゃんと識別できれば嫌悪しないのか?というとそうでもないのが虫のやっかいなところ。
実は、虫ファン、昆虫収集家でも、クモとなると大の苦手!という人はたくさんいます。日本でみかけるクモの多くは実害がない。ちゃんと識別できているのに、どうしても触れない(筆者もそう)。
遺伝子に刻まれているのでしょうか?前世でクモにやられたとか笑
危険はないと分かっていても、どうしても触れない、見るだけ無理。そのフォルムや動き方が生理的に無理ということはたしかにあるようです。
虫教育される機会がないから
とはいえ、知らないから怖いということが、虫嫌いの原因になっていることはたしかでしょう。虫の種類を区別できれば、恐るるに足らず。ほとんどの虫は無害です。
学校には虫教育の機会はありませんが、野外学習などで、虫の種類や危険な虫の見分け方、虫の持ち方などが教育されるようになれば、虫に対して正しい理解が深まり、見境のない虫嫌いは減るかもしれませんね。