もくじ
ミドリムシの分類
真核生物/ユーグレナ類/ユーグレナ藻綱/ユーグレナ目(ミドリムシ目)/ユーグレナ科(ミドリムシ科)/ミドリムシ属
ミドリムシの定義
一般にミドリムシといえば、ミドリムシ属(Euglena属)に属するプランクトンを指すが、広義にユーグレナ類全体を指すこともある。
ミドリムシの大きさ
0.02〜0.3mm
ミドリムシがいるところ・生息場所・分布
池、底泥など。比較的養分の多い場所、水質の汚れた下水などにも生息。
ミドリムシの成り立ち
ミドリムシは単細胞生物で、鞭毛により移動する動物プランクトンの特徴と、葉緑体で光合成を行う植物プランクトンの特徴を合わせ持つ。両方の性質を持つ理由は、別々に進化した原生動物と緑色藻類がある時点で共生するようになったためと考えられている。
このように別々の進化を辿った異なる生物同士が、そのあと一つの細胞、生物として機能するようになった例は他にも知られ、珍しくない。
たとえば、α-プロテオバクテリア(原核生物)が真核細胞に取り込まれミトコンドリアとなった例、ある種のウイルスが真核生物の遺伝子として働くようになった例、ゾウリムシがクロレラなどを取り込みミドリゾウリムシとして光合成産物の恩恵を受ける例など。
ミドリムシの特徴
淡水性、海水性のものがいる。顕微鏡観察で珪藻のようにすぐに見つかるわけではないが、汚れた池などの底泥を中心に探せば見つけられる。
栄養貯蔵器官であるパラミロン粒という顆粒が体内に複数含まれる。
ミドリムシの種類
大型のミドリムシやヘマトクロームという赤色色素を持つため体が赤いミドリムシなど、同じミドリムシ属でも多様。
Euglena gracilis(ユーグレナ グラシリス)
典型的なミドリムシの形。
Euglena proxima(ユーグレナ プロキシマ)
典型的なミドリムシの形。
Euglena ehrenbergii(ユーグレナ エーレンベルギー)
お尻が細くならず丸い大型のミドリムシ。日本の池などに生息。
Euglena oxyuris(ユーグレナ オキシリウス、オオミドリムシ)
大型のミドリムシ。
Euglena sanguinea(ユーグレナ サングイネア)
赤いミドリムシ
Euglena gigas(ユーグレナ ギガス)
お尻が尖っている。すぐに体がよれる(ねじれる)。
ミドリムシの眼点(赤い目)
ミドリムシには赤い目のような器官(眼点)が体の先端にあり、その端を前にして進む。眼点自体は光を感じるわけではなく、逆に光りを妨げる働きを持つ。鞭毛の付け根にある感光点と眼点を併用してミドリムシは光の向きを知る。私たちの目のように像を見れるわけではなく、あくまで光を感知する程度である。
栄養食品として
多様な栄養を含むため、ユーグレナなど健康食品やサプリメントとして商品化されている。
また、ミドリムシが入ったクッキーやお菓子が話題になることも多い。
ミドリムシの写真
池で見つけた大型のミドリムシ