クロゲンゴロウ〜複数の県で絶滅危惧種に指定

クロゲンゴロウ〜複数の県で絶滅危惧種に指定
2020/08/08

★☆☆☆☆

暗褐色、暗緑色を帯びた光沢のある黒色のゲンゴロウ。ナミゲンゴロウより一回り小さい。

2025年9月、山梨県北杜市でクロゲンゴロウを1個体見つけた。

山梨県をはじめ甲信地方ではもともとクロゲンゴロウが少ない地域だったと考えられている。競合となるナミゲンゴロウが優勢だったためである。そこに生息環境の悪化が加わり、山梨県下では過去の発見記録は何例あるものの、クロゲンゴロウの生息数が少ない地域と考えていいだろう。

山梨県のクロゲンゴロウ(2025年8月)

クロゲンゴロウの生態情報

学名Cybister brevis
分類コウチュウ目/オサムシ亜目/ゲンゴロウ科
大きさ体長20〜25mm
分布本州、四国、九州
成虫が見られる時期4〜10月
特徴、生態ゲンゴロウはその生態から、池沼減少や農薬等による水質変化、護岸改修の影響を敏感に受けやすい。

本種もまた、大きな影響を受けていると推測される。

ナミゲンゴロウと同じく非常に個体数が少なく、開発が進んでいない里山や山沿いの水田や池、沼に生息する。

以前は全国の水域に普通に見られたという。それが、1960年代以降、高度経済成長とともに環境問題が社会問題となった時期から、全国的に激減し、今は生息地はごく一部となった。

クロゲンゴロウは環境省カテゴリー準絶滅危惧(NT)、東京では絶滅(EX)

環境省カテゴリーで準絶滅危惧(NT)に指定され、多くの自治体のレッドリストでも絶滅(EX)、絶滅危惧Ⅰ類(CR+EN)に指定されている。

都道府県絶滅危惧種指定レベル
茨城絶滅危惧Ⅱ類
群馬絶滅危惧Ⅱ類 (VU)
埼玉絶滅危惧ⅠA類 (CR)
東京絶滅 (EX)
神奈川絶滅危惧ⅠA類 (CR)
富山絶滅危惧Ⅰ類
山梨絶滅危惧種ⅠA類 (CR)
愛知絶滅危惧Ⅱ類 (VU)
三重絶滅危惧Ⅱ類 (VU)
京都絶滅危惧Ⅱ類 (VU)
鳥取絶滅危惧Ⅱ類 (VU)
香川絶滅危惧Ⅰ類 (CR+EN)
愛媛絶滅危惧Ⅱ類 (VU)
高知絶滅危惧Ⅱ類 (VU)
福岡絶滅危惧ⅠB類 (EN)
佐賀絶滅危惧Ⅱ類種
長崎絶滅危惧Ⅱ類 (VU)
熊本絶滅危惧ⅠB類 (EN)
宮崎絶滅危惧ⅠB類 (EN)
絶滅危惧種カテゴリー(ランク)の概要
絶滅危惧種カテゴリー(ランク)の概要

 

クロゲンゴロウの写真

クロゲンゴロウ
クロゲンゴロウ(オオムラサキセンターの展示にて)
クロゲンゴロウ
クロゲンゴロウ

*PhotoACより

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