国内でもいまだ未同定、未発見種が多くいるハネカクシ。国内には1,500種以上のハネカクシが生息すると言われ(そのうち同定されているのは1,000種に満たない)、コウチュウ(甲虫目)の中でも最も種の多いグループの一つである。
そんなハネカクシ、最大の特徴はなんといっても背中の小さな上翅(ハネをしまうところ)。翅はコンパクトに小さな上翅の中に折りたたまれ、まるで隠されている。
なぜハネカクシはハネをかくすか?
上翅が他の虫と比べると異様に小さく、まるで翅を隠しているよう。そのわけはハネカクシの生態にあり?
ハネカクシは地面や枯れ葉の下、石ころの間などを動き回る。そのため、硬い上翅がつっかえて動けなくなったり、上翅が傷つくのを防ぐため、上翅がコンパクトになり、腹部がむき出しになったと考えられている。実際、自由に体(とくに腹部)をくねくね曲げて地面の石の隙間を進む様子が見られる。
ただし、障害物がないのに、お尻をそりあげたり、まるでダンスをするように腹部を左右上下にくねくねと動かすのもハネカクシの特徴。異常に小さい上翅の理由はおそらく腹部を自由に動かすためであろうが、腹部をこれほど動かす理由はなんであろう。