もくじ
アキアカネの分類
トンボ目/ヤンマ科/アキアカネ属
見かける頻度
★★★★☆
見かける時期
(成虫)6月下旬〜10月下旬
アキアカネの大きさ
32~45mm(体長)
アキアカネの分布、生息域
北海道、本州、四国、九州
アキアカネとナツアカネの違い、見分けポイント
・アキアカネの胸部の黒帯はギザギザしているが、ナツアカネの胸部の黒帯はギザギザしていない。
・アキアカネの腹部(尻尾)の黒斑は線状だが、ナツアカネの腹部(尻尾)の黒斑は四角状
アキアカネの生態、特徴
高山、平地、水田、沼、池など広い範囲に分布。夏に標高1700メートル以上の亜高山帯に移動するという珍しい生態を持つ。秋には大群で平野に戻り、田んぼの上に乱舞する姿を見ることができる。
害虫を食べるトンボとして、捕獲や殺生を戒めるような言い伝えが地域によってはある(罰が当たる、カミナリに打たれるなど)。
シオカラトンボなど中型、大型のトンボに捕食される。
アキアカネは大移動する
アキアカネは6月〜7月に羽化すると夏は1,000m以上の高山に移動し、9月に平野に長距離移動することが分かっている。アキアカネに似ているトンボであるナツアカネは、移動せずにずっと平野にいる。
里山の減少とともに数を減らすアキアカネ
名前から身近なトンボに感じるが、近年珍しいトンボとなりつつある。
近年、アキアカネはその数を大幅に減らしている。環境省レッドリストにこそ掲載されていないものの、都道府県のレッドリストでは主に西日本を中心に、絶滅危惧Ⅰ類やⅡ類に掲載された。
・鹿児島県:絶滅危惧Ⅰ類
・長崎県、山口県、徳島県、三重県など:絶滅危惧Ⅱ類
これほどに数を減らしたのは、里山環境の変化や農薬の影響のためと考えられている。とくに、アキアカネがカトリヤンマとともに激減したのは、田植シーズンに田んぼに入れられる長期残効型の農薬(箱処理剤。イミダクロプリド、フィプロニルなど)が原因の一つと考えられている。箱処理剤はその省力性と効果安定性のメリットが大きいため、現在でもますます普及している。
国内の特定の地域で調べた結果、『アキアカネの個体数減少』と『フィプロニルの出荷量変化』の間に相関関係が認められた。また、フィプロニルに曝(さら)されたアキアカネのヤゴは致死率が高まることも証明されている。
アキアカネの写真