ヒメヒカゲはルリタテハ科、ジャノメチョウの仲間のチョウです。本州に分布しますが、その個体数は非常に少なく、環境省レッドリストに指定されています。長野県・群馬県亜種は絶滅危惧IA類(CR)、本州中部・近畿・中国地方亜種は絶滅危惧IB類と絶滅の可能性が高いチョウです。
ヒメヒカゲ(Coenonympha oedippus)の分類
チョウ目/アゲハチョウ上科/タテハチョウ科/ジャノメチョウ亜科
大きさ
16~23mm(前翅長)。似ている仲間で私たちの暮らしに身近なルリシジミは12~19mmなので、ルリシジミより一回り大きいことになります。
見かける時期
6~7月(成虫)
分布・生態
丘陵地の山裾、冷たい水がにじみ出た湿地・湿原、高地の乾性草地に生息します。
絶滅危惧種
高度経済成長期の都市・住宅地開発などで湿原や湿地は全国的に大幅に減少しました。そのため湿地に生息するヒメヒカゲの生態・繁殖は大打撃を受け、全国各地でヒメヒカゲはひっそりと姿を消しました。
農薬散布や杉檜の植林、昆虫収集家の採集なども個体数減少の原因とされています。
今は本州中部以西、近畿、中国地方で生息地が分断された形で細々とその命がつなげられていますが、近い将来絶滅する可能性が極めて高い種と言えます。
近似種に、北海道に生息するシロオビヒメヒカゲがいます。翅の裏面にはっきりとした白帯があるのが特徴です。