学名 | Xylotrechus villioni | ||
分類 | カミキリムシ科/トラカミキリ属 | ||
体長 | 21〜27mm | ||
分布 | 北海道、本州、四国、九州 | ||
特徴、生態 | トラカミキリを何種か知っていれば、この武骨なフォルムがいかに普通でないか分かる。一般的なトラカミキリより大きく、円筒形の体型が目立ち、胸部は玉状で存在感がある。 昆虫ファンの憧れの虫の一つで、見つけた時の感動は大きい。 体全体が黒と黄色のストライプ模様なのは、他のトラカミキリと同様で、スズメバチに擬態していると考えられる。 成虫は6月下旬から8月にマツ林で見られる。 マツ科の生立木をホストとし、幼虫はその樹皮下の木質部に穴を開けながら食べる。それが食害と称されるのは、オオトラカミキリがマツを枯らせたり、木材としての利用価値を下げる害虫であるため。大規模になることはないものの、ドトマツ、エゾマツ、モミなどの造林で被害が発生する。 幼虫はさなぎになる前に特徴的な食痕を残す。すなわち、木の形成層(樹皮下の年利の外側、新しく年輪になる付近)で、表面に沿って渦巻状の食痕をつくる。そのあと、渦巻の中心からふたたび材部に入ると、木の下向きに長い蛹室を作る。ここでさなぎになり、成虫になる。この渦巻き状の痕はよく目立つから、オオトラカミキリ生息の目印となる。 このような食害を受けたマツは弱り、たとえ枯死しなくても、風雪などで折れやすくなる。 |