飛ぶという行為はダーウィンの進化論だけでは説明できない部分もある、という。だから、鳥の羽のミクロ構造をのぞき見ることは、新しい進化説の端緒を垣間見ることかもしれない。
身近な鳥の羽を顕微鏡で見てみました。
ハト
顕微鏡で見てみると、、、
ハトの風切羽です。きれいな黒い筋の配列が見えます。これを羽枝(うし)を呼びます。まず太い黒い軸、その両側細い繊維状の枝のような部分。この部分が羽枝(うし)です。
羽枝(うし)と羽枝(うし)はうまく編まれるようにしてくっついています。落ちてる羽根を広い、手が引き離して羽根の一部を裂いた経験がある人も多いと思いますが、そのとき離れるのがこの部分です。スギナのような(ひげのような)部分が見えますが、これがとなりの羽枝(うし)に絡みつき、一度離れてもふたたび結合できる、ゆるくもありタイトでもあるというパラドックスを超えた関係を実現しています。再生可能結合です。
これは先ほどの羽根の根元部分のふわふわしたところ。綿羽と呼ばれる。ここの目的の一つは鳥の体温保持。節のようにみえるふくらんだ部分の目的は調べたけど分かりませんでした。
こちらもおなじ綿羽なのに、先ほどの不明節(ふくらんだ部分)は見当たらなかった、不思議ですが。
ハシブトガラス
さきほどのハトのケースではスギナにしか見えなかった結合部分、ここではその構造がはっきりと見えた。これはまさにマジックテープの構造。
この部分で、隣り合う羽枝(うし)同士をしっかりとつなぎ止める。人間社会の用品は図らずも(あるいは図る場合もあるが)生物の構造を踏襲しているに過ぎないと感じてしまう。
ジョウビタキ
道路に死んでいたジョウビタキのオス。茶色の羽毛は顕微鏡で見るとどうか?
顕微鏡で見ると、茶色の部分はそれほど目立たない(もっともこれは顕微鏡の照明具合による影響が大きい)。
アオサギ
少し見ていると、すぐに飛んでいってしまった。目が合った気がした。
アオサギっていつも、こっち見てないふりして、すごくこっち見てる気がする。で、こっちが立ち止まってアオサギの方を見ると、すぐに飛んでいってしまう。警戒心は強いくせに、飛ぶのはとてもゆっくり。あれじゃ、タカとかにすぐ捕まっちゃうよ。
余談ですが、サギ類って大きな羽を羽ばたくから目立つし、ゆっくり飛んでいるから猛禽類にすぐ見つかりそう&見つかったら簡単に捕まりそうだけど、あまりサギが襲われてるところ見たいことないし聞いたことないです。なにかサギの肉に毒でもあるんでしょうか。昔から不思議で、今も肉に毒が微量に含まれているのではないかと密かに疑っています。(でも鳥が毒を持つ例って世界的にないことないけどかなり異例らしいですね)
それはともかく、アオサギの羽根は落ちてなかったので、顕微鏡観察できず。
チョウゲンボウ
アオサギを見ていて思いつく。そうだ、甲府市の鳥獣保護センターに行こう。あそこなら保護された鳥がいっぱいいるはず。そこで羽根をゲットだ。
センターに着くとさっそくゲージあり。そのなかにいた鳥。日本で最小の猛禽類、チョウゲンボウ。
チョウゲンボウは野生で飛んでる時、鳩(ハト)に見える。でもじって見てればすぐチョウゲンボウだとわかる。呼吸するようにホバリングするから。あれほどすがすがしいホバリングはトンボかミツバチかチョウゲンボウに限られるし、鳥の中ではチョウゲンボウだけだ。
ゲージの中に羽根が落ちてる!でもけっきょく、羽根は手に入らず。職員さんに「羽根、落ちてるやつください」と言い出せず。写真だけ撮って帰宅・・・。
コゲラ
帰宅がてら、コゲラ発見!
コゲラ。スズメくらいの大きさで、日本に暮らすキツツキの中で一番小さい種類です。都会から田舎まで普通にいる鳥で、その姿で気づくというより、「きーきー、きーきー」という鳴き声や小さなカタカタタという聞き慣れない音(コゲラが木をつつく音)で近くにいることに気づくことが多い。
羽根落ちてないかな。
白鳥
このくちばしとかおでことか顕微鏡で見たらどうなってるのかな。つるつるに見えても顕微鏡で見ると穴だらけだったりとかするからなー。まあ、その観察を実現することは、動物学者か動物園の飼育員でなければ難しいでしょう。
白鳥の羽根も手に入らず、顕微鏡観察できず。
(鳥の羽が手には入ったら、随時更新中)