まるで蛍光ペンを引いたような明るい緑色が特徴のアブ。山梨県北杜市で偶然見つけた。コフキゾウムシの緑も鮮やかだが、それよりも緑味が強くビビットに感じる。自ら発色しているのではないかと疑いながら、夢中で写真を撮った。
生態・特徴〜コガタノミズアブは絶滅危惧種
里山の水田や池などの水辺で見られる。各地で希少種。
腹部(背板)や胸部の縁(前楯板のふちや小楯板)が明るい緑色。
コガタノミズアブは環境省のレッドデータブックには登録されていないものの、京都府で「絶滅危惧種」、三重県で「絶滅危惧種Ⅱ類」に指定されている。
幼虫は水生。ということは、本種も農薬や水田整備の影響を大きく受けたのだろうか。ゲンゴロウはそれで数が激減したのだが、それが分かったのは四半世紀後だった。
知名度のある虫なら注目されるが、そうでなければ注目されない。彼らがどんな辛酸を舐めてきたかは遠い過去に。レンズの前のこの美しい虫は、せっせと手足を舐めて毛繕いをしていた。
学名
Odontomyia garatas
分類
ハエ目/ミズアブ科
見かける頻度
★☆☆☆☆
大きさ
12mm程度
分布
北海道・本州・四国・九州