永久凍土の融解は『地球の時限爆弾』〜太古から届く手厳しい贈り物

2021年6月1日

永久凍土とは?

永久凍土とは、2年間以上継続して温度が0℃以下となる地盤のこと。

結果として、一部の表層を除いて永久凍土の地盤は一年中凍っている。その厚さは数百mにも地域によっては及ぶことも。

永久凍土は北半球の大陸の約20%に広がり、日本でも富士山頂上や一部の北アルプスの雪渓で永久凍土の定義に当てはまる地域があると報告されている。

永久凍土には推定1.7兆トンの炭素がある。

永久凍土には推定1.7兆トンの炭素が凍結した有機物の形で閉じ込められており、地球大気全体の約2倍もの炭素が保持されていると試算される。

これらは主に、太古の動植物や微生物の死骸が堆積、分解したものである。

なぜ永久凍土融解は『地球の時限爆弾』?メタンハイドレート。

これらの有機物は長い時間をかけて分解され、メタンハイドレートという物質に変わる。永久凍土が溶けた場合、メタンハイドレートが融解してメタンなどが大気に放出され、温暖化を加速させると言われている。大気中のメタンは、CO2の20倍以上の温室効果がある。

そのため、永久凍土融解は『地球の時限爆弾』と言われている。

巨大な穴が突然出現。シベリア、ツンドラ地帯にて。

実際にメタンの放出は始まっていると考えられており、近年シベリア・ツンドラ地帯に突然姿を現す巨大な穴(陥没痕)が見つかるのは、地下に溜まったメタンガスが一気に吹き出し、地盤の氷や岩石を吹き飛ばしたためということが分かっている。

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永久凍土から炭疽菌⁉

2016年、ロシアのヤマル半島で12歳の少年が炭疽症で死亡、約100人が炭疽菌感染の疑いで入院し、20人以上が炭疽症と診断された。さらに、2,300頭以上のトナカイが炭疽症に感染して死んだ。

当時炭疽菌の発生源が分からなかったものの、その後の調査で永久凍土の融解で地表に露出したトナカイの死骸から菌が人間にも広がったと推定された。

永久凍土の融解が進めば、太古の昔に地球の生物に対し猛威を振るった病原菌が再び地表に現れ、人や家畜に感染する可能性があると言われている。

 

人類はこの太古から届く手厳しい贈り物にどう対応していくかがいま求められている。

ヤクーツクでは3月の平均気温が1960~1990年の間はマイナス21.5℃だった。しかし、2017年にはマイナス10.8℃まで上昇し、シベリアではとくに温暖化が顕著に進んでいると研究者は警鐘を鳴らしている。