アオミドロは、淡水に生息する微細な藻類で、田んぼや池、湖などに生息する。とろとろした緑色の藻を顕微鏡で見ればアオミドロであることが多い。春から秋にかけて増殖する。
アオミドロの分類
真核生物/植物界/緑色植物亜界/ストレプト植物/ホシミドロ綱(接合藻綱)/ホシミドロ目/ホシミドロ科/アオミドロ属
アオミドロの英名
Spirogyra(スピロギラ属)
アオミドロの生態・特徴
綺麗な川から汚れた池まで、様々な種類のアオミドロが生息する。緑色の葉緑体で光合成を行い、ときに他の個体と縦に並んでつながり胞子をつくる。これを接合といい、動物の交尾・受精と同じく、形質の多様性を生み出す目的を持つ。
アオミドロ、神秘の接合
アオミドロは無性生殖と有性生殖を行う。有性生殖は接合による。
接合により、2つの細胞が合体してできた接合胞子は休眠状態の散布体となる(植物でいう「種」に似ている)。接合胞子の段階ではゲノムを2セット持っている状態だが、発芽時に減数分裂を行い、元に戻す。
ちなみに人では、卵子と精子がすでに減数分裂をしてゲノムをあらかじめ半セットにしているので、受精(接合)により、1セットのゲノムとなり、受精後にアオミドロのように減数分裂する必要はない。
アオミドロは陸上植物がどう水から上がったかを解き明かすかも
アオミドロなどの接合藻類(というグループ)は、陸上の植物にとても近縁であることが分かってきた。陸上に植物がどのように広がっていったか、その進化を探る上でアオミドロは重要な研究対象となっている。
アオミドロは国内で82種いる
理科の教科書でよく知られた微生物だが、実はアオミドロにはたくさんの種類があり、現在、アオミドロ属は世界で約380種、国内で82種知られている。