フサヒゲルリカミキリは、大きさ15〜17mm程度、フトカミキリ亜科のカミキリムシで、絶滅危惧種。2022年8月の新聞では、足立区生物圏が環境省や伊丹市昆虫館と連携して繁殖に取り組み、成果を挙げていることが報じられた。
フサヒゲルリカミキリは絶滅危惧種
フサヒゲルリカミキリは環境省レッドリストにて絶滅危惧IA類(CR)に指定されており、絶滅が差し迫っている。
また、種の保存法(絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律)にて『国内希少野生動植物種』に指定されたため、国内で捕獲、所持、流通などが全面禁止されている。
カミキリムシで国内希少野生動植物種に指定されているのは7種で、多くが小笠原諸島などに生息する種である。本州などに分布するカミキリで国内希少野生動植物種に指定されている種はフサヒゲルリカミキリのみ。保護増殖事業計画が立てられているのも本種のみである。
※出典:環境省ホームページ (https://ikilog.biodic.go.jp/Rdb/zukan?_action=rn050)
フサヒゲルリカミキリの特徴・生態
上翅などは暗い瑠璃色(藍色の金属光沢)で、触角には毛が密集した部分があり、それが房のようであるため、この名がついた。
標高800m以上の高原の湿性草地に生息。ユウスゲの茎を傷つけ産卵、幼虫はユウスゲの草の茎の中で育つという珍しい生態を持つ。多くのカミキリムシは朽ち木や枯れ木の中で幼虫が育つ。
その特殊な生態ゆえ、生息地が非常に限定され、個体数が減少した。
※出典:環境省ホームページ(https://www.env.go.jp/nature/kisho/hogozoushoku/husahigerurikamikiri.html)