稲の害虫。佃煮として食用になる。ハネナガイナゴと似ているが、コバネイナゴは翅の長さが後ろ脚より短いことで見分けられる(ただし個体によっては翅が後ろ脚より少し長いコバネイナゴもいる)。
もくじ
コバネイナゴの大きさ
成虫の体長:オス <20〜33mm メス <20〜40mm
コバネイナゴの分布
全国(北海道〜沖縄)
コバネイナゴを見かける頻度
★★★★☆
コバネイナゴの特徴
天敵の気配で、稲の草の裏や茎の反対側に回り込んで身を隠す習性をもつ。イナゴは国内に8種分布。多くはコバネイナゴとハネナガイナゴである。
コバネイナゴとハネナガイナゴの見分けポイント、違い、識別
- コバネイナゴは翅が後ろ脚より短い
- ハネナガイナゴは翅が後ろ脚より長くなる。
(個体によっては翅が後ろ脚より少し長いコバネイナゴもいる)
イナゴの佃煮になるのは本種(コバネイナゴ)が多い
長野県などイナゴの佃煮を食す地域では、本種が食用となる。同様にハネナガイナゴも食用となるが、翅が食感を損なうため、その翅部分が少ないコバネイナゴがより美味とされる。
食用に捕獲したイナゴは袋などで1日置き、ふんを出させる。そのあとゆでて、佃煮にする。佃煮とは、醬油やミリン、砂糖で濃い味に煮しめた料理のこと。
コバネイナゴの生態
本種は水田に多く生息し、稲の葉を食べるため、害虫である。水田に生息するイナゴには主にハネナガイナゴとコバネイナゴの2種がいる。高度経済成長期に農薬などで水田のイナゴは減少したが、最近数を増やしている。ただし、2種の個体数のバランスは変わってしまった。減少前にはハネナガイナゴとコバネイナゴが同程度分布した地域が多かったが、最近はコバネイナゴが多くなり、ハネナガイナゴが少なくなる傾向が見られる。都道府県によってはハネナガイナゴの数は極端に少なく、群馬や富山で絶滅危惧種Ⅱ類に指定されているほどである。