地球温暖化が問題視され、1997年の京都議定書で世界は変わっていくかと思いきや、アメリカの不参加、カナダの脱退、ロシア、日本、 ニュージーランドの不参加など、主要国の不参加が続出。京都議定書の後継、パリ協定 (気候変動)も合意はされるも、始まる前から早速アメリカが離脱宣言。地球環境は経済の二の次という構造はそう簡単に変わらないようです。
温暖化対策が進まない中、地球温暖化はちゃんと進んでいます。
過去2000年で、今急激に気温上昇(地球温暖化データ)
過去2000年の気温変化で、近年異常な上昇が観測されています。
2000年前から1750 年ごろまで(産業革命が始まる前)は、1℃未満でゆっくり気温が変化していました。
それが、産業革命からは、急激に温度が上昇し、2000年前後はとくにその傾向が顕著なことが分かります。
もともと、日射量変動と言って、ミランコヴィッチサイクル(という、地球の地軸の傾きの微妙な変化や地球の公転軌道の周期的変化などによる気候変化)や太陽活動の変化で地球の温度は太古から変化し続けてきました。
しかし、産業革命からの温度変化は明らかにこの日射量変動では説明できないため、二酸化炭素などの温室効果ガス濃度の増加によって引き起こされたことが分かっています。
過去80万年で二酸化炭素濃度が最高(温室効果ガス)
過去80万年で二酸化炭素濃度は今が最高レベルです。80万年前というと、まだヒトが誕生する前。
このような異常な気候変動で、これから何が起こるのかは科学者もほぼなにも予想できていません。豪雨や暖冬、台風の大型化など、すでに起こっている気象変化でさえ、温暖化とどう関係があるのか、まだ分析できていません。
「温暖化が進めば作物が育つ」、「冬が暖かく過ごせる」と楽観する人がいます。でもその陰で、何万年も続けていたその土地の生活を奪われる人もいます。
そして最も問題なことは、さらにその先に何が待ち受けているか、誰も予想できていないということです。「安全が担保されていないお化け屋敷」に私たちは足を踏み入れ、地球に住む人類の問題は経済活動に比べたらあまり大事な問題ではないようです。
地球温暖化。ハンプティ、転がり落ちた。
ハンプティ・ダンプティ、塀に座った。
ハンプティ・ダンプティ、落っこちた。
王様の馬をぜんぶ使っても、王様の家来をぜんぶ使っても、ハンプティを元には戻せない。
(イギリスの民謡の一節)
ハンプティを塀の上には戻せなかったように、地球の変わり始めた気候変動も簡単にはもとに戻せないでしょう。
ただ、オゾンホールのように正しい対策を講じて、解決に向かったケースもあります。NASAによると、2015年の調査では世界の取り組みによりオゾンホールは着実に縮み、今世紀の終わりにはオゾンホールの問題は終結すると予想しています。
地球温暖化も、子供や孫、次の世代のことを考えて、今正しい取り組みへ進みたいものです。