クロマルエンマコガネはセンチコガネ科の甲虫。
体長は7~10mm程度。北海道〜九州の平地や低山で見られる。
オスの前胸背板には、三角形に切り落としたような隆起があるのが特徴。折り紙に少しだけ折り目をつけたみたい。メスには見られない。
このような形状がどう異性へアピールするのか、あるいはオス同士の戦いにどう有利に働くのかは不明である。むろん、なんの目的もなく、ただこの形に行き着いた、ということだってあり得る。
野生動物の糞や腐肉を食べるいわゆる糞虫。糞虫には繊細な金属光沢を持つ種も多いが、本種は地味な黒色。野生動物の糞などを観察すると見つけられることがある。
クロマルエンマコガネとフトカドエンマコガネの違い
よく似た種にフトカドエンマコガネがいる。違いは以下。
クロマルエンマコガネ
前胸背板の隆起部分前方の点刻が多く明瞭。山梨など中部地方では個体数が比較的多い。前胸背の隆起の先端部がやや狭い(細い)。
フトカドエンマコガネ
前胸背板の隆起部分前方の点刻は浅くて少ない。本州中部以西で多い。関東以北、中部以北では個体数が比較的少ない。前胸背の隆起の先端部がやや広い。