黒色で少し褐色がかっていて光沢がある。オスとメスの違いは少ないが、オスのアゴの方が短く上向きに湾曲している。最近の研究によりミヤマクワガタと近縁だと分かった。
オニの由来は、アゴの途中で、上に向かって分岐している部分(内歯)があり、これが『鬼の角』に似ているから、とされる。
標高1000〜2000mのブナ林に生息するため、都市部や平地で見かけることはない。ただし、北海道や東北など緯度の高い地域では平地でも見られる。
屋久島にはヤクシマオニクワガタというオニクワガタの仲間が生息する。ただし、ヤクシマオニクワガタはオニクワガタとは別種であることが近年報告された(国立科学博物館専報 8, 155-, 160-2, 1975)。
オニクワガタは明かりにも飛んでくる。樹木の樹液に集まることはない(成虫は何も食べずに交尾、産卵して数週間ほどで死ぬ)。幼虫は、ブナ、ミズナラなどの亜高山帯の広葉樹倒木を食べて育つ。