2019年8月7日22時頃、群馬・長野県境に位置する浅間山が噴火し、気象庁が「噴火警戒レベル3、入山規制」を発令しました。噴火は2015年以来で、レベル3に引き上げられたのは2009年以来10年ぶり。群馬、長野の周辺地域への影響や、東京、群馬、長野、山梨など首都圏や周辺都県への今後の影響が気になるところです。
もくじ
浅間山の噴火、大丈夫なの?
気になるのは周辺地域への影響や東京、群馬、長野、山梨など首都圏や周辺自治体への影響。8月7日23時現在出されている各都道府県の警戒情報をまとめました。
群馬県は?
8月7日23時現在、群馬県HPには浅間山噴火に関する情報は発表されていませんので、気象庁の情報を参考にしてください(このページの下部でも解説)。
浅間山火口周辺警報「噴火警戒レベル3、入山規制」が以下の市町村に出されています。
群馬県:嬬恋村
長野県は?
8月7日23時現在、長野県のホームページ、長野県防災情報ポータルともに、浅間山噴火に関する情報は発表はされていませんので、気象庁の情報を参考にしてください(このページの下部でも解説)。
浅間山火口周辺警報「噴火警戒レベル3、入山規制」が以下の市町村に出されています。
長野県:小諸市、軽井沢町、御代田町
東京都は?
東京都防災ホームページの避難情報には、「現在、避難情報の発令はありません」となっています(8月8日9時現在)。また、降灰なども観測されていないようです。東京都のホームページ、東京都防災ホームページともに、浅間山噴火に関する情報は発表はされていませんので、気象庁の情報を参考にしてください。
埼玉県は?
8月7日23時現在、埼玉県のホームページに浅間山噴火に関する情報は発表はされていませんので、気象庁の情報を参考にしてください。
山梨県は?
8月7日23時現在、山梨県のホームページ、やまなし防災ポータルともに、浅間山噴火に関する情報は発表はされていませんので、気象庁の情報を参考にしてください。
浅間山火口周辺警報「噴火警戒レベル3、入山規制」
気象庁は、火口周辺警報「噴火警戒レベル3、入山規制」を出し、山頂火口からおよそ4kmの範囲で大きな噴石や火砕流に警戒するよう呼びかけています(警戒範囲は変わる可能性がありますので最新の情報を確認してください)。
詳しい気象庁の情報は以下です(2019年8月7日23時時点での情報)。
火口から概ね4kmの範囲では、弾道を描いて飛散する大きな噴石や火砕流に警戒してください。地元自治体等の指示に従って危険な地域には立ち入らないでください。
噴火時には、風下側では火山灰だけでなく小さな噴石が流されて降るため注意してください。
また、降雨時には土石流にも注意してください。(噴火に伴う大きな空振によって窓ガラスが割れるなどのおそれがあるため注意してください。)噴火警報の対象市町村
以下の市町村では、火口周辺で入山規制などの警戒をしてください。
群馬県:嬬恋村
長野県:小諸市、軽井沢町、御代田町
出典:気象庁ホームページ (https://www.data.jma.go.jp/svd/vois/data/tokyo/STOCK/activity_info/306.html)
浅間山はこれまでも歴史に残る噴火を繰り返してきた
浅間山は有史以降も噴火による被害がたびたび記録されてきた山です。たとえば、1783年の大噴火では、火砕流により嬬恋村で480人以上、群馬県内で1,400人以上が犠牲者になったと記録されています。
浅間山の記録に残る噴火
685年
(日本書紀にて)信濃国(長野県)で降灰により草木が枯れた(ただし、浅間山の噴火ではなく、焼山や焼岳などの可能性も)。
1721年
噴石で登山者 15人死亡。
1783年
大噴火。噴火や爆発を毎日繰り返し、その結果堆積した噴出物が崩壊して雪崩のようになって山肌をえぐりながら周辺地域を壊滅させた。さらに天然ダムを作り、その後決壊、大洪水を引き起こし、下流域に1,624人の犠牲者を出したとされる。また、この浅間山噴火は同年に発生したアイスランドのラキ火山やグリムスヴォトン火山の噴火と合わさり、大量の火山ガスが成層圏まで上がり、噴出物の塵が地球の北半球を覆って日射量を激減させたため、日照不足や冷害となり、天明の大飢饉(死者十数万人に達した江戸四大飢饉のひとつ)の原因になったと言われている。
1947年
噴石により11人死亡。
また、浅間山はこれまでも小規模な噴火を繰り返しています。気象庁のデータで説明します。
2008年の浅間山の噴火記録
通し
番号噴火日時 噴火表現 火口縁上の
噴煙の高さ(m)流向 備考 1 2008年8月10日 02時37分頃 ごく小規模な噴火 400 南東 2 2008年8月11日 20時05分頃 ごく小規模な噴火 200 南 3 2008年8月14日 07時59分頃 ごく小規模な噴火 400 南東
2009年の浅間山の噴火記録
通し
番号噴火日時 噴火表現 火口縁上の
噴煙の高さ(m)流向 備考 1 2009年2月2日 01時51分頃
~08時00分頃小噴火 2,000 南東 火口から約1キロメートルに弾道を描いて飛散する大きな噴石が飛散。
降灰は関東地方南部まで確認。2 2009年2月9日 06時34分頃
~10時15分頃ごく小規模な噴火 400 東 軽井沢町の一部の地域で微量の降灰を確認。 3 2009年2月9日
~2009年2月12日9日11時30分頃
~12日08時頃小噴火 9日17時10分頃
1000m北東 軽井沢町の一部の地域で微量の降灰を確認。 10日04時50分頃
1400m南東 11日02時50分頃
1000m東 4 2009年2月12日 16時51分頃 ごく小規模な噴火 300 南東 5 2009年2月12日 18時07分頃 ごく小規模な噴火 400 南東 6 2009年2月12日 21時02分頃
~22時12分頃ごく小規模な噴火 500 南東 7 2009年2月16日 13時00分頃
~14時00分頃ごく小規模な噴火 400 東 8 2009年2月16日 16時35分頃 ごく小規模な噴火 雲のため不明 東京大学浅間火山観測所で微量の降灰を確認。 9 2009年2月17日 18時33分頃 ごく小規模な噴火 400 東 10 2009年3月15日 23時48分頃 ごく小規模な噴火 200 東 11 2009年4月14日 07時32分頃 ごく小規模な噴火 400 北東 12 2009年4月30日 20時02分頃 ごく小規模な噴火 500 北東 13 2009年5月3日 03時20分頃 ごく小規模な噴火 400 北東 14 2009年5月27日 01時41分頃 ごく小規模な噴火 600 直上
出典:気象庁ホームページ (https://www.data.jma.go.jp/svd/vois/data/tokyo/306_Asamayama/306_2008_2009_er_list.html)
一般的な噴火警戒レベルの説明
一般的な噴火警戒レベルはレベル1からレベル5まであります。
【レベル5(避難)】:危険な居住地域からの避難等が必要。
【レベル4(避難準備)】:警戒が必要な居住地域での避難の準備、要配慮
者の避難等が必要。
【レベル3(入山規制)】:登山禁止や入山規制等危険な地域への立入規制
等。状況に応じて要配慮者の避難準備等。
【レベル2(火口周辺規制)】:火口周辺への立入規制等。
【レベル1(活火山であることに留意)】:状況に応じて火口内への立入規
制等。
(注:避難や規制の対象地域は、地域の状況や火山活動状況により異なる)
出典:気象庁ホームページ (https://www.data.jma.go.jp/svd/vois/data/tokyo/STOCK/kaisetsu/level_toha/level_toha.htm)
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